確認申請にはどんな図書が必要?
建築基準法をもっと、わかりやすく理解したい!
このようなお悩みを解決します。
「確認申請の流れ」や「法規チェックのやり方」など、学校や資格スクールで学ぶ機会はほとんど無かったのではないでしょうか。
そのため、いざ実務で取り掛かろうとしても、わからないことだらけの状態でしょう。
実際に私も、初めて確認申請を出すときは苦労しました。まわりの先輩たちも多忙だったので、ほとんどレクチャーを受けることもありませんでした。
なので自分で参考書を購入して勉強したり、実務で中で経験を積むことで、それなりに分かるようになってきました。
そこで今回は…
- 「これから確認申請の手続きや流れを学びたい人」
- 「建築基準法の理解を深めたい人」
このような方むけに、私の経験から「確認申請の勉強でわかりやすかった本」、「実務で使える建築基準法の理解・解釈に役立つ本」を紹介します。
今回紹介する本は、設計事務所にはぜひとも備えておきたい、「あるのが当然」と言える本ばかりです。
これらの本は、ぜひ常備しておきましょう。
この記事の内容
- 確認申請の流れ・必要図書がわかる本を紹介
- 建築基準法の理解・解釈のための本を紹介
では、さっそくみていきましょう!
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はじめに 建築基準法の解釈は行政によって異なる
実務をやってると慣れてきますが、建築基準法の解釈は行政によって異なります。
当然、建築する場所によって行政(協議先)が変わるため、指導内容も変わってきます。
そしてその指導内容は、すべてが正しいわけではありません。ときには過剰であったり、ときには協議が必要な内容であったりします。
そのため、一般的に広く解釈されている、建築基準法の条文の読み方・取り扱いなどはしっかりと押さえておく必要があります。
なぜなら、一般的な解釈を知ってくことで、行政との協議の際の根拠資料となり得るからです。
では、まず始めに「確認申請の流れ・必要図書」がわかる本を紹介します。
その次に「建築基準法の理解・解釈」のための本を紹介します。これらは多くの行政で、建築基準法の取り扱いの参考としている本です。
1.確認申請の流れがわかる本
始めに「確認申請の流れ・必要図書」がわかる本を紹介します。
おすすめの本を2冊、紹介しますが、ひとまずは「1-1. 確認申請マニュアル(2020-21) コンプリート版 」があれば実務には事足りるでしょう。
1-1.確認申請マニュアルコンプリート版
こちらは指定確認検査機関である、ビューローベリタスジャパンが著者の本です。
- 確認申請書の書き方
- 確認申請の手続きの流れ
- 確認申請に必要な図書リスト
- 図解入りでわかりやすく解説
指定確認検査機関だけあって、これらをわかりやすく、かつ事例を交えて解説しています。
- 確認申請ってなに?
- なにを揃えればいいの?
このような不安・疑問を解消してくれる本です。
初心者の方は、こちらの本がおすすめです。
▶ 詳しい本の説明はこちら:確認申請マニュアル(2020-21) コンプリート版
1-2.これで完璧!確認申請 一発で確認申請を通す方法
こちらも指定確認検査機関である、日本ERIが著者の本です。
この本の特徴は、確認申請、基準法の解釈で悩みそうなポイントをキーワードごとに解説している点。
以下はキーワードの例です。
- 建築敷地
- 前面道路
- 接道
- 床面積
- 建築面積
- 地盤面
- 道路斜線
- 日影
- 防火間仕切壁 等々
上記は一例で、その他にも確認申請時に押さえておくべき内容をキーワード毎に解説しています。
注意点として、この本は法規解釈の解説が主なので、確認申請の流れや必要図書を押さえたい方は「 確認申請マニュアル(2020-21) コンプリート版 」が最適です。
▶ 詳しい本の説明はこちら:これで完璧!確認申請最新改訂版 一発で確認申請を通す方法
2.建築基準法を理解・解釈する本
ここからは、「建築基準法法令集」と、「建築基準法の理解・解釈のための解説本」を紹介します。
2-1.建築基準法法令集 法令編
法令集を選ぶポイントは以下の4点。
- 文字が見やすい
- 関連条文が分かりやすい
- 見開きで条文が読みやすい
- 建築関連法規の網羅性がある
これらを全て満足するのが、総合資格学院が著者の法令集(通称:緑本)です。
数ある法令集の中でも、サイズが大きいのが特徴です。サイズが大きいので一覧性があり、表など見開きで見やすく掲載されています。
建築基準法に加え、建築関連法規(都市計画法やバリアフリー法等)も掲載されています。
建築基準法や関連法規は、ほぼ毎年のように改正されます。
なので最新の条文を確認するため、法令集は常に最新のものを常備しておきましょう。
2-2.建築基準法法令集 告示編
こちらも総合資格学院が著者の本です。
法令集と同様に、サイズが大きく、見開きで見やすくなっているのが特徴です。
実務においては、排煙告示や耐火仕様など、告示の根拠条文を調べることがよくあります。そのため、実務には必須の資料となります。
法令編とあわせて常備しておくことをすすめします。
2-3.建築物の防火避難規定の解説2016
この本では、建築基準法で定められている防火・避難に関する条文の解釈を解説しています。
著者は日本建築行政会議であり、ほぼ全国の役所や消防、民間の審査機関でも参考図書として使われています。
ほぼ全国的に共通認識となり得る解説なので、実務では必須と言えるでしょう。
以下は解説されている内容の一部です。
- 延焼ライン
- 防火区画
- 耐火、準耐火
- 防火上主要な間仕切壁
- 排煙設備
- 避難施設 等々
設計、確認申請を行う際には、建築基準法解釈の根拠資料としても使います。
設計のみならず、建築に携わる職種であれば、手元に置いておきたいですね。
※2020年8月時点での最新版は「 建築物の防火避難規定の解説2016 」です。
▶ 詳しい本の説明はこちら:建築物の防火避難規定の解説2016
2-4.建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例 2017年度版
建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例 2017年度版
建築基準法の集団規定について、図解を用いて事例を紹介しています。
行政や確認審査機関でも、参考図書としているところもあるため、建築基準法解釈の根拠資料としても使えます。
発行は一般財団法人建築行政情報センターです。
▶ 詳しい本の説明はこちら:建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例 2017年度版
※2020年8月時点での最新版は「2017年度版」です。
※2020年8月時点でAmazon、楽天などでの取り扱いはありません。
2-5.近畿建築行政会議 建築基準法 共通取扱い集 【近畿建築行政会議編集】
近畿地方での、建築基準法の共通取扱いをまとめた本です。
近畿地方においては、この本が建築基準法解釈の根拠資料にもなります。
なので近畿地方で設計、確認申請を行う際は必須の本と言えるでしょう。
※2020年8月時点でAmazon、楽天などでの取り扱いはありません。
2-6.プロのための建築法規ハンドブック 五訂版
建築基準法だけでなく、関連法規についても図解をまじえて分かりやすく解説しています。
また、最近法改正された部分の解説も盛り込まれています。
行政でも建築基準法解釈の参考にしているところがあるので、手元に置いておけば、建築基準法解釈の参考資料として設計を進めることができるでしょう。
2-7建築申請memo2020 (日本語) 単行本
建築基準法の法文の基本的な読み方、解釈がまとめられています。
法令集の条文だけでは…
- 「なかなか読みづらい…」
- 「理解しにくい…」
このように、現実として、法令集だけでは理解しにくい場面が多々あります。
図解入りで分かりやすいので、法令集と合わせて常備しておきたいですね。
2-8.建築消防advice 2020 (日本語) 単行本
建物の用途別・規模別に、設置が必要な消防設備等がまとめられています。
わかりやすく表で一覧できるので、知識の整理にも役立ちます。
おさらい 確認申請の手続き・流れ、建築基準法の理解・解釈のための本
今回、紹介しました本のまとめです。
1.確認申請の流れを理解するために
2.建築基準法の理解のために
- 2−1. 建築関係法令集 法令編
- 2−2. 建築関係法令集 告示編
- 2−3. 建築物の防火避難規定の解説2016
- 2−4. 建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例 2017年度版
- 2−5.
- 2−6. プロのための建築法規ハンドブック 五訂版
- 2−7. 建築申請memo 2020
- 2−8. 建築消防advice 2020
どれも「実務に役立つ本」なので、持っていて損はなし。
以上です。
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